今年3月のブログで著書を紹介させて頂いた、レオス・キャピタルワークスの藤野英人さんが、『リーマンショックから学ぶコロナ危機の乗り越え方』(全編公開されました。クリックするとYouTube本編が始まります)というテーマで、オンライン対談プログラムに出演されるというので、参加してきました。『Morning Pitch』という、大企業と起業家のマッチングイベントで、主たる運営元は、デロイト・トーマツ・ベンチャーサポートと野村證券の2社です。
2008年。のちに「百年に一度の金融危機」と形容されたリーマンショックが発生し、金融機関をはじめとして、多くの企業が破綻しました。当時の藤野さんもその渦中に巻き込まれ、ご自身の会社を手放したうえに、1,500万円もの個人債務を負いました。
彼は当時を振り返りつつ、現在のコロナショックをこう表現します。
「人間の体にたとえると、リーマンではいきなり循環器系がこわれた。筋肉や内臓、脳はしっかりしているが、心臓と血液がいきなり止まった感覚。(今回は)内臓や筋肉が壊れている状態だ。同じような景気後退だが質が全然違う」と。このコメントからも、コトの重大さが伝わってきます。
起業家は、この史上最悪の局面をどう乗り越えるべきか。
リーマン後に無一物となった藤野さんですが、存続した会社に平社員として再雇用されます。夢も希望も失くした彼に、「よい投資信託を開発したい」という使命感を蘇らせてくれたのは、転職話を切り出した際に、「その程度の覚悟だったのか、理想は嘘だったのか」と詰め寄った職場の同僚でした。その時の経験から、「やはり仲間を信じることは大事だ」と言います。
それ以降、さまざまな経営者を見てきた藤野さん。
「リーマンで残った人はしぶとい。見栄を張らずに助けてくれと言えるかどうかは重要」とも。まずは生き残ること、その姿勢と意思を、臆さず内外に表明することが大切なようです。
ゴキブリは最強の生物だと云われます。
しぶとい生命力。天敵を機敏に察知し、仲間とともに素早く動く。人気がない所に活路を見出し、活動拠点を築いて繁殖する。こうして書くだけでも総毛立ちますが、藤野さんは、「これからの10年を生き抜く起業家は、そんなゴキブリであって欲しい」と総括しました。「あなたはゴキブリのような起業家だ」と言われたら、どうやらそれはホメ言葉として受け取ってもよいみたいです。
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