早いもので、今年も立春を迎え、新たな年の運気が動き始めました。
人生の節目が重なることが多い日本の春。さまざまな別れや出逢いを経験する季節を間近に控えている人たちにとっては、期待と不安が交錯する、なんとも落ち着かない時期でもあります。
新しい出逢いは、人生に大きな化学変化をもたらすことがあります。
昨日まで暮らしていた世界の様相が、一変して見えてしまうことも。それが思春期の子どもたちであれば、影響の大きさや新鮮さは、大人の比ではないかもしれません。当然ですが、私にもいくつか身に覚えがあります。
今回は、そんな早春の不安定な息吹を感じさせる、ノスタルジックな映画をご紹介します。
『イブラヒムおじさんとコーランの花たち(フランソワ・デュペイロン監督/マイケル・パティン他制作/ギャガ配給)』は、2003年公開のフランス映画です。往年の名優オマー・シャリフが、セザール賞最優秀男優賞を受賞し、また、さまざまな国際映画賞にもノミネートされたことで、日本でも大きな話題になりました。
家庭環境に恵まれないユダヤ系フランス人の少年と、小さな雑貨屋を営むトルコ出身の老人との、かけがえのない心の交流を描いた、心温まる感動作品です。特に、映画のラストシーンを彩る、老人の遥かなる故郷トルコへと至るふたりの魂の旅路は、異国情緒たっぷりな見せ場です。
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1960年代のパリ。13歳の少年モモは、なにかと不機嫌な父親とふたり暮らし。母親はモモが生まれてすぐに家を出たため、彼はそのぬくもりを知りません。
ある日モモは、外国人の老人(オマー・シャリフ)が営んでいる近所の雑貨屋で、万引きを働きます。うしろめたさをごまかすかのように、心の中で(アラブ人なんて自分には関係ない)と呟くモモでしたが、老人はその声が聞こえたかの如く、「私はアラブ人ではないぞ」と言い、さらに「盗みを続けるなら、うちの店でやってくれ」と、不思議な助言をします。
どうやら彼のことをずっと気に掛けてくれていたらしいイブラヒム老人と、モモは次第に打ち解けていきます。笑顔が戻り、周囲の人間関係も好転し始めました。
ところが、失業を苦にした父親が突然の自死。少年は天涯孤独の身の上に。モモは老人に、「自分を養子にしてほしい」と頼みます。
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