「人類にとっての大きな飛躍」を世界中に届けた、知られざる裏方たちの物語。

1969年7月20日、20時17分40秒(協定世界標準時)。人類は初めて、月着陸船イーグルにより月面着陸を果たしました。

着陸から3時間半後、ニール・アームストロング船長は着陸船の足元に降り立ち、「これは人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍だ」という有名な宣言を発します。この宣言は、リアルタイムで地球に送信され、少なくとも6億人の人たちの視聴に応えたとされています。

 

この歴史的瞬間の映像を世界中に中継したのが、オーストラリアの田舎町パークスに建造されていた、パークス天文台でした。超巨大なパラボラアンテナの口径は64m。南半球でも2番目の大きさで、その見た目から「Dish(お皿)」とも呼ばれています。

 

月面着陸中継で一躍有名となったパークス天文台ですが、この機会は、まさしく降って湧いたものでした。当初、中継を担うはずの基地が、アポロ11号の飛行計画変更で使えなくなり、急遽パークスに白羽の矢が立ったのです。

 

歴史的偉業に携われることになって、パークスの町民は大騒ぎ。当時の逸話は、The Dish 月のひつじ(ロブ・シッチ監督/ワーナー・ブラザース他製作、日本ヘラルド映画配給)』というタイトルで映画化され、日本でも2002年に劇場公開されました。

 

浮かれ喜ぶ町民の期待に応えるべく、重圧に耐えながら奮闘する技術者たちの姿を、ユーモアを交えながら感動的に描いています。

 

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人よりも羊が多い町、パークス。人類初の月面着陸を中継するという歴史的事業の一端を、この町の天文台が担うこととなり、町民は大喜び。天文台の建設を誘致した際に、一部の市民から批判を受けた町長も、この奇跡に鼻高々です。バクストン博士(サム・ニール)をはじめとする4人の天文台スタッフは、失敗は許されじと計器チェックに余念がありません。

 

NASAから派遣されてきた技術者のアルと現地スタッフの間には、感情的な軋轢があり、博士はその仲裁にもひと苦労です。しかし、皆の想いはただひとつ。人類が月面に一歩踏み出したときの「魂の高揚」を感じたい。それだけなのでした。

 

ロケットが無事に打ちあがり、中継準備も順調かと思われた矢先、彼らは想定外かつ二重の、重大なトラブルに直面します。

 

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