今年の春先、急に「美しい星空がみたい!」と思い立ち、八女市星野村にある『星の文化館天文台』の宿泊施設を予約。ようやく先月、家族で行ってまいりました。
里山の高台にある文化館は、九州最大級の大きさを誇る天体望遠鏡と、プラネタリウムが人気の施設。ホテルが併設されており、宿泊客は観測室の望遠鏡や展望デッキで、時間を気にせず心ゆくまで星空を満喫出来ます。
当日はあいにくの曇り空で、満天の星空というわけにはいきませんでしたが、それでも雲の切れ間からは、「夏の大三角」のうちで最も明るいベガ(織姫星)を、肉眼ではっきりと捉えることが出来ました。まるで、チラチラ瞬く周囲の星々を従えているかのよう。そして、飽くことなく空を眺めていた娘たち。その場では聞きませんでしたが、いつかあのときの星空に感じたことを、一緒に振り返る機会があればいいな、と思います。
星空と、その奥に拡がる宇宙は、どうして古来より人類の好奇心を刺激し続けてきたのでしょうか。
宇宙博士でサイエンスライターの井筒智彦さんは、著書『東大宇宙博士が教える やわらか宇宙講座/東洋経済新報社刊』のなかで、相反するふたつの魅力にその理由がある、と記しています。それは、「圧倒的な非日常」と「日常との(深い)つながり」。どうでしょう、ピンときますか?
本書は、宇宙環境が地球(および人類)におよぼす影響や、まだまだ多くの謎に満ちている宇宙の成り立ちについて、とてもわかりやすく解説している科学読本ですが、その深遠なる世界観に引き込まれて読み進むうちに、この言葉が示す意味も、きっと理解してもらえることでしょう。
本書では、「恒星の生涯」についても触れています。人間と同様に、彼らも何らかのきっかけで生まれ、成長し、老いて死んでいきます。
高温・高密度の核融合反応で生きてきた恒星は、白く小さく燃え尽きるか、あるいは大爆発(超新星爆発)を起こして、その生涯を終えますが、この大爆発こそが、宇宙の至るところに、自身を構成していた元素をまき散らし、新しい元素を化合し、爆発の衝撃で新たな星を産み出すのだそうです。私たちの地球も、そして私たち自身も、無数の星々の死によって生命を受け継いだわけです。「人は星の子」と云われる所以です。
あの夜、私たちが眺めた織姫星も、はるか遠い時間の先(数億年後と云われています)で寿命が尽きたのち、新しい命を誕生させるのかもしれません。
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