今回は、東京を拠点として全国各地で「しつもんコンサルタント」として活躍されている、河田真誠氏(以降、親しみを込めて「しんせいさん」と表記します)にご登壇頂きました。また、夫婦問題カウンセラーの玉井洋子女史が主宰されている九州シニアライフ研究会にも、共催としてご協力を頂きました。玉井女史には、現在しんせいさんが精力的に取り組まれている事業『HANASAKU PROJECT』のメンバーとして、その可能性についてコメントを頂戴しました。
開催方法については、通常の集合開催ではなく、新型コロナウイルス感染対策として、勉強会初のオンライン会議アプリ『ZOOM』を活用した開催としました。途中、通信環境が乱れるなどの障害もありましたが、なんとか最後まで実施することが出来ました。
しんせいさんの勉強会ご登壇は、2017年8月以来二度目になります。前回は、初の著書である『革新的な会社の質問力(日経BP社刊)』が上梓されたばかりの頃でしたが、今回は、それ以降も10冊もの著書を出版し、多くの講演や会社研修を引き受けながら拡大基調を続けている、彼のビジネスの源泉について語って頂きました。
また、昨今のコロナショックについても、しんせいさんご自身の対処について、貴重なコメントを頂きました。ご自身も、今回のコロナショックでは、かなりの痛手を負ったとのこと。講演会や研修は、6月までの予定がすべてキャンセルに。数百万円分のビジネス機会が失われたそうです。
しかしその事実は、今現在抱えている不安の本質ではないことに気がつきます。お金のことは、どうにでもなるのです。それよりも恐れているのが『見通せない未来』であると理解出来た時、彼はこう考えました。「コロナショックの渦中でなくても、普通の状態(平穏な日常)に生きていたって、未来が見えない点においては同じだったはず」と。
誰にも、どんな時でも未来は見通せない。
「今」という時間の中でどう生きるか。人間には本来そういう生き方しか出来ない。であれば、どんな未来にあっても、いずれにあっても「今」を楽しめる自分であればよいのではないか。そして、生き残るために、自分の得意を見据えながら、手段や手法を変化させていけばいい。コロナショックに関係なく、常にビジネスの形は変化する。時代に合わせて、なにかが生まれ、なにかがなくなる。要は、その変化を覚悟し、柔軟に対応出来るのであれば、何も恐れる必要はないのだ、と。彼の今までの人生の積み重ねが、そのような思考へと彼を導いたのでしょう。
2011年1月。広島で広告会社を営んでいたしんせいさんは、多額の借金を抱えて一文無しになりました。「儲かるか儲からないか」のみがビジネスの基準だったその時の彼。大きな転換期を迎え、ガラリと考え方を変えます。これからは「自分が楽しいかどうか(自分の気持ちを大切にする)」で生きていく。そう誓い、東京で現在の礎となる商売をはじめるのです。
当初は、提供する価値に自信が持てず、客先に正当な報酬を請求することも出来ない日々。そのような中でも、「自分が提供できる価値を明確にする」努力を怠りませんでした。出版活動に目を向けたのも、まさにその一環です。ひたすら「目の前のひとを喜ばせるために、今何が出来るだろうか?」と自分に問い続け、実践し続けたことで、ファンは着実に増えていきました。
現在のしんせいさんの関心は、子どもたちの未来に向けられています。会社の新人研修で「考えて」と伝えても、「指示されるほうが楽」と答える若者たち。そのような子どもが育つ教育環境を少しでも改善したい。
「困っている人がいたら手を差し伸べよう」ではなく、「困っている人がいたらどうする?」という質問で、子どもが自ら考える力を育みたい。彼が『HANASAKU PROJECT』の一環として、私財を投じてまで教育現場で実践している『自分で考える力を育む授業』は、まさに彼が自らに問い続けている、「それは愛の選択だろうか?」を伝える活動でもあるのです。
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