なにかと比較しない生き方で、自分自身の人生と楽しみを取り戻す。

大変お暑うございます。

みじかい梅雨が明けたと思ったら、強烈な猛暑がやってきました。

昨今ではもう珍しくもありませんが、なかなか慣れない暑さに青息吐息の毎日です。

 

さらにここ数年の私は、更年期障害ではないかと疑うくらいに、身体の変調が激しいのです。

ちょっと動くだけで、もう汗がとまらない。かといってじっとしていると、今度は冷え性のような症状に悩まされる。とくに夏場がつらい。額から汗がボタボタ滴り落ちるのが、鬱陶しいやら恥ずかしいやら。ほかにも気になる不調がいくつかあり、身体の調子に無関心でいられた若い頃をつい思い出して、なんとなく気が滅入ります。

 

人気作家であり、「マイブーム」「ゆるキャラ」という造語でおなじみのみうらじゅんさんも、かつてそのような感情に悩まされたことがあったのでしょうか。いつの頃からか「比較三原則(もちろん、非核三原則をもじっています)」という表現で、「(自分がコントロールできないものに対して)比較することの愚かしさ」を世間に提唱しています。

 

みうらさんが「比較してはいけない」と主張するもの。

それは、「過去の自分」「親兄弟などの身内」、そして「他人」です。

「過去の自分」というのは、若さを謳歌し、心身ともに充実していた頃の自分です。

「親兄弟などの身内」というのも理解できます。とくに親というのは、子どもが人生で初めて接する「おとな」であり、自然と子どもが描く将来の模範になりやすい存在。子どもの頃の親と同じ齢になった自分に、もの足りなさや不甲斐なさを感じることは、ままあります。

「他人」。これこそ、自分自身がコントロールできないものの代表格ですね。誰しも、人生が順風満帆に見える他人に対して、ときに嫉妬の情を覚えることがあります。それもまた、人間ならではの自然な感情でしょう。

 

もちろん、これらの存在と比較することによって、なんらかの人間的成長を実現できるのであれば、それは決して無為なことではありません。むしろ、発奮材料として積極的に活用したいものです。

しかしながら、後悔や喪失感、嫉妬の念に囚われて抜け出せず、鬱々たる日々に苦しんでいるようならば、一日も早く、そんな比較はやめたほうがよいかもしれません(と、いまの自分に言い聞かせているところです)。

みうらさんは、そのような負の感情から脱却することで、ありのままの自分を受け入れよう、自分が工夫できるところから生きることを楽しもう、と伝えているのでしょう。仏教哲学にも造詣が深い、かれらしい考え方だとおもいます。

 

私が、十数年前に長年勤めていた音楽商社を希望退職し(音楽配信技術の登場で、流通商社としての先行きに懸念がありました)、郷里の福岡で職探しを始めた直後、風のうわさで聞こえてくる元同僚の動向に、心をざわつかせることが度々ありました。自身の再就職活動がうまくいかず、焦燥の念に囚われていたのが最も大きな要因です。会社に残った優秀な同僚たちは着々と重要なポストに就いていきましたし、会社を離れたものの、東京で音楽業界に留まったものも少なくありません。かれらに対して嫉妬を抑えきれず、やりきれなさを感じたことも。

会社や音楽業界を離れることは自分自身で決心したことなのに、はやくも後悔の念が立ち現われ、さらには、どこにもぶつけようのない怒りの感情に戸惑いもしました。あのときは、ほんとうに苦しかった。まさしく、万事順調にみえる他人といまの自分の立場を比較して、発奮どころか悶々として無為な思いに囚われていたわけです。

 

しかし、あるときから私は、そんな「風のうわさ」を意識的にシャットアウトしました。

いまの自分が行動できる最大限の努力や可能性に対して、意識を集中するようにしたのです。私の就活は私自身の問題であって、元同僚たちとの人生競争ではない。そんな当たり前のことに、ようやく気が付いた瞬間でした。少々再就職には時間がかかったものの、その結果として、いまもなお歩み続けている、ファイナンシャルプランナーとしての道筋をつけることが出来たのだと思います。

 

「足るを知る」という禅問答のことばもあります。

いまの自分となにかを比較して、失われたものや持たざるものに嘆かない。身のまわりのリソースからあたらしい可能性を見出し、その探求を積極的に面白がる。面白がれることがひとつでも増えたなら、過去の自分や他者と比較するその時間さえ、惜しいと思えるようになるかもしれません。

 

とはいえ、比較したくなるときも、やっぱりありますよね。

比較から目をそらすには、いろんな方法やおまじないがあるとおもいますが、みうらさんご自身は、「そこがいいんじゃない!」と口にすることで、ご自分の現状や置かれた立場を全肯定されるんだそうです。実践してみても面白いかもしれませんね!