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がん遺伝子パネル検査の現状

保険業界でも注目が高まっている「がん遺伝子パネル検査」。

簡単に表現すると、「がんの特徴を調べ、一人ひとりに合った治療法の手掛かりを見つける検査」のことで、現在のがん治療において、最先端の技術と云われています。※くわしくは日本のがんゲノム医療の情報管理機関であるC-CATのホームページをご確認下さい。

 

現在はがん罹患後の治療方法を探す目的で実施されていますが、将来的には予防医療として、がんの罹患リスクを早期に取り除くために活用したい意図があるそうです。実現すれば、がんは予防できる病気の仲間入りをして、将来は「かつて恐れられた過去の病気」として記憶されるかもしれませんね。

 

まだ導入過程にある技術(2019年に保険診療が開始され、現在の登録者は10万人)ですので、成功事例などの情報はあまり聞こえてきませんが、患者さんやそのご家族が、この検査に期待を寄せている声は多くあるようです。例え、治療や快癒につながらなかったとしても、「やるべきことはやった」という納得感を得た患者さんの声もよく聞かれるとのこと。現時点でのパネル検査の基本的な位置づけは、「標準治療が終了した、あるいは存在しない」場合に活用が検討されるものなので、医師にとっても患者さんにとっても「最後の砦」ということになるのかもしれません。

 

しかし実際は、「最後の砦」にしては、まだ頼りないといった感がぬぐえません。直近のデータでみるかぎり、2022年までに検査が実現した症例は30,822症例。うち、治療につながったのは2,888症例で、わずか一割にも届きません。それには、さまざまな障壁があるようです。

出所:C-CATなどの開示情報に基づいて独自に作成

これらの課題については、日本の大きな薬事行政問題である「ドラッグ・ラグ」問題も深く絡んでいると考えられます。

がん患者は、常に時間との闘いに迫られています。自由診療での治療薬が見つかったとしても、治療費が高額になったり、その手配に時間がかかるようでは、選択肢を捨てざるを得ないケースも当然あるでしょう。

 

とはいえこの取り組みは、今後の予防医療実現につながる大きな試金石です。課題は山積みですが、「ドラッグ・ラグ」問題の解消とともに、今後の進展に大いに期待したいところです。