老後のおかね問題の最重要テーマ「公的年金の実際」を適切に理解する。

先日、ちょっとした暇つぶしに、このブログページをAIに読み込ませて評価してもらったところ、「読み物としてはよいかもしれないが、おかねの専門家としての発信力は弱い」という、意外にも大層辛口な評価を頂きました。なので、今回は「おかねの専門家」らしく、老後のおかね問題の話題を取り上げてみました。

 

「老後4000万円問題」という言葉が、2024年くらいから世間で囁かれるようになりました。この話題の元となったのが、2019年に大きな物議を醸し出した「老後2000万円問題」であることは想像に難くありません。

 

2024年は、物価高騰の定着を確信させる様々な経済ニュースが報じられた年でした。二〇年超続いたデフレ経済の終焉を、多くの国民が意識したことでしょう。インフレの加速が現実味を帯びていくなかで、「2000万円では足りないのでは」という不安が高まり、「老後4000万円問題」説が問題視されていったものと考えられます。

 

消費生活アドバイザーの山崎俊輔さんが今春上梓した『老後に4000万円って本当(マジ)ですか?物価が上がる時代の退職後資産の考え方(日経BP刊)』は、この話題に対しての冷静な対応と、個々の環境における「将来の備え」の意識変革を促しています。給与所得者向けに書かれていますが、どなたでも参考に出来る内容です。

 

本書で多くの頁を割いてテーマとしているのが、「公的年金」の実際とその考え方です。「老後2000万円問題」では、この年金に対するメディアのミスリードが目立ち、世間にさらなる不安を煽ることにつながりました。山崎さんは「年金制度の正しい理解」と題して、以下の3点を、根拠を示しつつ丁寧に解説しています。

  1. 年金制度はつぶれない
  2. 日常生活費はなんとかなる(厚生年金受給者のケース)
  3. 生きている限りずっともらえる

公的年金に対するゆるやかな信頼をもとに老後の資金設計をすれば、過度に不安がることなく、誰でも備えられることを伝えています。前向きな老後資金準備の教科書として、おすすめしたい一冊です。

 

本書の趣旨は、私がこれまでお客さまにお伝えしてきた点とも一致しますが、私ならば「いつまで、どんな働き方をするか」という点についても、お客さまとの面談テーマにしたいところです。