先日、あるNPO法人さんの主宰イベントで、『長生きリスクの不安を解消』というお話をさせていただきました。特に私が強調したのは「公的老齢年金の活用は最後の手段」として割り切る、というものです。
現在の高齢者のみなさんは大変お若いし、気力が充実している方も多い。人手不足が加速している状況で、国もさまざまな制度改革を行い、高齢者や女性が働きやすい環境を整備しようとしています。65歳以降も身体が丈夫で働けるうちは、年金に頼らない家計のかたちも、今では充分現実的です。しかも年金は、繰り下げ受給するほど一生涯の受給額が増えます。
75歳から受給すれば、65歳時受給額の1.84倍にもなります。10年間の年利(単利)に換算すると、8.4%に相当する増え方です。
こんな話をすると、「75歳未満で死んだら保険料の払い損だ」という声も聞こえてきますが、私はそれでもよいと考えています。なぜなら、老齢年金は「長生きリスクに備える」保険だからです。健康保険や民間の医療保険と考え方は同じ、そもそも損得で勘定する話ではないとも捉えています。
よく「何歳からの受給が得か」と悩んでおられる方も散見されますが、働けるところでしっかり働いて、75歳迄は年金を受け取らないぞ!と腹をくくるほうが、はるかに健全な考え方でしょう。
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